雑誌「自遊人」編集長 岩佐十良
真の豊かさを考えるライフスタイル誌「自遊人」編集長。消えつつある伝統食材の保存活動や、オーガニック食品、付加価値農産物の啓蒙活動などに取り組む。「自分で見たもの、感じたことの真実を伝えること」が取材ポリシー。2009年にはTBS系「情熱大陸」に、稲作と雑誌づくりの二足のわらじを履く編集長として出演。現在は農業生産法人「自遊人ファーム」代表でもある。著書に「一度は泊まりたい宿 覆面訪問記」(角川マーケティング)、「米作農業入門」(講談社)がある。「強い農業へ」プロジェクトリーダー。「雪国A級グルメ」エグゼクティブプロデューサー。

「人生の1/3は睡眠」とはよく言われる話ですが、自分の睡眠環境を気遣っている人は意外に少ないのが現実です。かくいう私もそのひとり。“寝具で睡眠がどう変わるかなんて、寝ているのでわかないし、しかもわからない時間にお金をかけるのはもったいない”というのが理由でした。しかし実は私、数年前に医者に無呼吸症候群を指摘されて、Cパップという機器を装着して寝なければならない事態になってから、睡眠への考え方が変わったのです。とはいえ、さすがにウン十万円の寝具となると腰が引けますし、そもそもどこで買ったらいいのかわかりません。変な店に入ったら、なんか騙されてしまいそうな気もします。そして、考えたのです。

“ホテルや旅館で寝具に気を遣っているところは多い。宿の寝心地を手に入れられたらぐっすり眠れるに違いない”。

でもホテルや旅館にとって寝具は“企業秘密”であることが多く、なかなか仕入れ先がわかりません。とはいえ私の職業は雑誌編集者。あの手この手で調べているうちに、一軒の布団屋が浮かび上がったのです。

それが金沢の『石田屋』。

正直、私も最初は、羽毛布団の120万円という価格にはビビりましたが、調べてみれば、100%アイダーダックの羽毛布団は大手メーカーでは200万円を超していることや、安いものはニセモノが多いことがわかったりと、実は堅実な値付けだったことがわかりました。コスト管理に厳しい旅館が導入しているのだから、コストパフォーマンスがいいのは当然というところでしょうか。

そんな石田屋さんに、敷布団やベッドパッドの選び方や羽毛布団の裏事情、枕の選び方など、最高の寝心地を実現するための寝具選びのポイントを聞いてみました。

寝心地がいいことは、すなわち、睡眠の質が高いこと。つまり健康な体をつくる重要なポイントです。寝ている間は自分ではわからないため睡眠にお金をかけるのに勇気がいりますが、いい寝具が100年使えることを考えると、洋服代などと比べてかなり安いと思えてきます。

ちなみに石田屋さんは対面販売を重視するお店。「天然素材にこだわっていますから、価格もどうしても高くなってしまいます。扱っているのは天然素材の本物ばかり。高級寝具なので店頭でしっかりと説明しないと価格ばかりが一人歩きしてしまいますから」というのが店頭でしか基本的に販売しない理由です。

でも、それでは金沢周辺に住んでいる方以外はなかなか購入できません。そこで「ぜひ!」と口説いて、「オーガニック・エクスプレス」のなかにウェブショップを開いてもらいました。

私のいちばんのオススメは、ムースブルガーの馬毛枕と、麻の肌掛け布団&麻のベッドパッド。これならリーズナブルですし、暑い夏を快適に過ごせます。もう少し予算が許すなら長野県鹿教湯温泉の温泉旅館「三水館」と富山県のリゾートホテル「リバーリトリート雅樂倶」で導入している敷布団とベッドセットを。エルゴフレックスのマットレスセットもコストパフォーマンスが高く、最高の寝心地です。

究極は馬毛の敷布団やマットレスとアイダーダックの羽毛布団。一枚で60頭分の馬毛を使用した敷布団&マットレスは、硬めなのになぜかしなやか。びっくりするほど体にフィットします。

店頭以上にたっぷり検討できるように、コンテンツも充実させています。天然素材にこだわった石田屋の寝具で、ぜひ最高の寝心地を実現させてください。

雑誌「自遊人」編集長 岩佐十良

ホテルや旅館にとって布団やベッドの仕入れ先は企業秘密であることが多く、実名はほとんど挙げられませんが、長野県鹿教湯温泉の旅館『三水館』や、富山県のリゾートホテル『リバーリトリート雅樂倶』のほか、数々の名宿、ホテルが特別室などに採用している石田屋の寝具。価格は一見高く感じても、“天然素材”と“本物”にこだわった上質な寝具ばかりなので、結局は長く使えてオトク。
最高峰のアイダーダック羽毛布団の寿命は100年以上、馬毛の敷布団とマットレスも100年以上。10〜20年に一度は必要なメンテナンス&リフォームも、永久に行ってくれます(有料)