[材料]
新しい羅臼昆布 6g
新しい鰹本枯節(血合い抜き) 50g
水は還元水を使用。1.5l
[どんな料理に使う?]
一番だしはお吸い物や、懐石でいう煮物椀など、椀物が中心。クセのない上品なだしなので、繊細な味の和え物や、割りだしなどにも利用する場合がある。
1)昆布は浜干しの羅臼昆布を
厳選だしの基本は昆布。産地や収穫年度による味の差は大きい。品質を管理するとともに、分量も厳密にコントロールしている。
2)水に昆布を入れ、冬は2時間置く。
「昆布のだしは温度でとるものではなく、時間でとるもの」、と神田さんは言う。水は軟水が昆布だしには向いている。
5)できるだけ直前に鰹節を削る
鰹節の香りは削った瞬間から急速に失われていくため、料理する直前に手をかけて鰹節を削る。一番だしの香りが、ここで決まる。
4)鰹節を蒸して柔らかくする
何度もカビ付けをしてうま味を増した本枯節は、世界一硬い食品ともいわれる。それを蒸して柔らかくしてから、削り機にかける。
3)鰹節の血合いを削り取る
本枯節を削る前に、血合いを丁寧に取り去る。「かんだ」の必要とする、切れの良い繊細なだしには、血合いの力強さは不要なのだ。
6)水出しした昆布だしを沸騰させる
水から昆布を引き上げ、だしを火にかけて沸騰させ、酸素を飛ばす。あとから入れる鰹節や食材の酸化が抑えられ、味の変化が防げる。
7)昆布だしに削った鰹節を入れる
30秒沸騰させたら火を止めて、削った鰹節を一気に入れる。グルタミン酸とイノシン酸の相乗作用で、うま味が強くなる。
8)混ぜないで35〜40秒、静置する
鰹節を投入し約35〜40秒。静かに置いて待つ。素材の状態により時間は変えている。このとき混ぜると、濁って雑味が出てしまう。
10)出来上がった一番だし
だしの色を見て善し悪しを判断。良質の鰹節を使い、上手にとると、黄色に薄いモスグリーンが入った独特の色になる。
9)さらし布で丁寧に漉す
さらし布で少しずつ丁寧に漉す。鰹節は短時間で上げることで、すっきりした上品なうま味だけを抽出することができる。


[材料]
新しい羅臼昆布 10g
新しい鰹本枯節(血合い抜き) 25g
水は還元水を使用。1ℓ
[どんな料理に使う?]
二番だしは昆布と鰹節のエキスをしっかり煮出した、うま味たっぷりの液体。煮物に煮含めたり、時には粕仕立ての椀の吸い地にしたり、幅広い用途がある。
1)二番だしも新しい昆布を使う
「かんだ」では、二番だしを引くのにも新しい昆布、鰹節を使う。一番だしをとった材料があれば、それも加えるという使い方。
2)昆布と鰹節を入れて煮る
深く味を出したいので時間をかけて加熱し、材料のうま味を引き出す。昆布と鰹節は水から入れ、煮こぼれない程度に沸騰させる。
5)二番だしは一番だしより色が濃い
鰹節の香り豊かな二番だしの出来上がり。二番という名前だが、実は多くの料理のベースになる、とても重要なだし。
4)少しずつ布で漉す
少しずつ丁寧に裏漉しする。材料の状態により、汁の濁らないときもある。使用する昆布、鰹節を熟知することが大切。
3)アクを丁寧にとりながら煮出す
雑味のもとになるアクを取りながら30〜40分煮出す。汁が澄んできたら完成が近い。切り上げるタイミングは出具合を見て判断する。