普段、お米は浸水させて炊きますが、これは、米が(保存の過程で)失ってしまった水分を補うための知恵。新米はもともとたくさんの水分を保有しているので必要がありません。


炊きあがったごはんを蒸らすのは、
固くなってしまったものをやわらかくするための工夫。新米はもともとやわらかいので、蒸らさなくても
大丈夫!


水分が多い分、新米は、米粒自体が
やわらかく、つぶれやすい。だから、混ぜずに、優しくすくって、一文字にお茶碗へ。刺激を与えずに、柔らかい食感を維持しましょう。
土鍋でお米を炊いてみよう!
1)土鍋を温めるために、まずは弱火で3分
2)強火5分。沸騰させる
3)沸騰したら、弱火で6分
4)最後に、極弱火で4分
これが基本の火加減。ご家庭のガスの強さによって時間と火加減は微調整を!

【美味しさの一工夫】
1〜2の間、蓋のふちからぐつぐつと泡が出るまでの間と、3〜4の沸騰がおさまってからは蒸気を逃がさぬように、土鍋の蓋の穴を割り箸でふさぐと、圧がかかって美味しく炊きあがります(後半は軽めに)。ガス台は必ず奥のほうが火力が強いので、土鍋ごと回転させて、平均的に温度があがるようにしましょう。

 “新米”の季節ですね。
 今日は番外編として、「新米を新米らしく味わう方法」をご紹介したいと思います。
 まず、お話をしたいのは、新米と、それ以外の季節のお米は、まったく違う食べ物である、ということ。例えるなら、いつものお米は乾燥シイタケ、新米は生シイタケ。新米はみずみずしく、お米の中にたくさん水分を含んだ、いわば“生野菜”のようなもの。姿は同じでも、保持している水分量が違うのです。

 “新米の炊き方”の、大きなポイントは3つ。
1) 浸水させない
2) 蒸らさない
3)混ぜない
そして、とにかく炊きたてを食べる! こと。人の舌は温度が高いほど、甘みを感じるもの。
だからこそ、炊きたてアツアツが一番。新米ならではの甘みが、じゅわ〜っと口に広がります。

 新米を楽しむ醍醐味は“お米本来の水分が持っている甘み”を味わうことと言っても過言ではありません。それ以外の季節は、乾燥してしまったお米に外から水分を補って炊くのですが、それとはまったく違う味わいが楽しめる。それこそ、“新米だけのお楽しみ”です。
 難しいことは必要ありません。ちょっぴり“新米らしさ”を大切にするだけで大丈夫。ぜひ、フレッシュな旨み、甘みを存分に味わってください。