6月3日、いよいよ田植えが始まりました。手押し(!)の4条植え田植機と手植えの並行作業です。毎日平澤ほか一名が交代で作業して、その週末の6月5日・6日には、また自遊人総動員法が発令されました。
 友人、知人も助っ人に来てくれたおかげで総勢20人超。これだけの人数が本気になれば、仕事もはかどります。夕方までには7枚中5枚の田んぼで田植えが終了。8日にはほぼすべての田植えが終了しました。
 と同時に、目の前には素晴らしい光景が広がりました。自分たちで汗を流したからかもしれませんが、それは涙が出るほど美しい光景でした。
 やはり水を張ってこその水田。蘇った田んぼには、キラキラと太陽の光が輝いています。水面を渡る風は涼しく、小さな稲がなびいています。
 土地の地主さんも杉の枝はらいをしたり、私たちが開墾できなかった田んぼの一部を自分で畑にしたりして、一帯は見違えるようになりました。
 この新自遊田を見学に来てくださった食物史家の永山久夫(ながやまひさお)さんは「この田んぼには神様がいるような気がするね」と言ってくれました。実は私たちもそんな気がしはじめていたのです。
 一帯に魂が宿るというのでしょうか、荒れ地が蘇っていくのと同時に、土地の“気”のようなものが強くなっていく気がしていたのです。