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ところで、前回の記事を見て多くの方からご質問いただいたのが「収穫したお米はいくらで販売するの?」ということ。
昨年までは、米作りはしていても農業従事者ではなかったため、自分たちで作ったお米を販売することはできませんでした。今年は農業生産法人「自遊人ファーム」を設立したので、大手を振って農地を耕すこともできますし、穫れたお米を販売することもできます。
でも、その経緯は前回書いたとおりで、けっして農業で儲けるために生産法人を起こしたのではありません。私たちの目的は、"農業の実際を自分たちの肌で知ること"。正直、魚沼のような米どころでは新規就農者が田んぼを集約していくことはまず不可能ですし、水路の使用権など土地改良にまつわる壁もたくさんあります。
さすがにプラスマイナスゼロにできる可能性があるくらいの農地は借りられるのでは?と思ってはいましたが(面積的にも場所的にも)、実際に借りられたのは耕作放棄地。とても採算にのるわけがありません。
その採算計算は前号で書いたとおりですが、お米の原価は1kg3000円以上になってしまいます。しかも、すでに前号に書いた試算表の「田植え前」と「田植え」の項目は大幅な予算オーバーです。自遊人総動員法で動員された人件費を除いても、専任の平澤が田植え終了までに田んぼに通った日数は23日間。日当2万円で計算すると46万円にもなります。試算では4万7500円ですから、すでに40万円以上オーバー。お米1kgあたり617円にもなります(※法人諸経費を考えると日当2万円程度で計算しないと成り立ちません)。
最新鋭の農機具を持っていれば、作業時間は大幅に短く、4〜5日で済んだかもしれません。でもパワーのある高性能トラクターは軽く500万円はします(高いものは1000万円を超します!)。山の中の田んぼでは償却できないばかりか、お米の原価はますます上がってしまいます。
もちろん1kg3000円や4000円といった価格では誰も買わないでしょうし、私たちも高すぎると思います。
自遊人の「オーガニック・エクスプレス」では、全国の受賞農家が作ったお米など、「日本一」と胸を張って言える味のお米を多数販売していますが、現在、その最上級が1kg2000円。日本一美味しいお米が1kg2000円なのに、私たちのお米がそれ以上で売れるわけがありません。価格は収穫後に味をみてから考えようと思っていますが、当然、原価との差額は赤字です。
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