吸湿性と放湿性に優れた最高級素材
枕にとっていちばん重要なのは“首を支えること”と“清潔であること”。この「しっかり頭部をサポートする馬毛の枕」の形は頭と首をしっかりサポートするために考案されたオリジナルデザイン。仰向けに寝ていても、横向きに寝ていても、頭がぐらつかずにしっかりサポートされます。
馬毛は、ヨーロッパでは最高級寝具として知られ、抜群の通気性を誇る素材。人間は寝ているときに首筋周辺にかなり汗をかきますが、馬毛はどんな素材よりも汗を吸収して、朝になると素早く水分を放出します。しかも、耐久性に優れているので、枕や敷き布団には最高の素材といえるのです。
寝心地も抜群で、柔らかすぎず硬すぎない弾力性も魅力。もとはストレートの馬の尻毛を、きれいに洗浄して、そのあと縄のように編んでいって、その後に蒸してカールをつけるという気が遠くなる作業で製造されています。しかもこれらは手作業。以前「機械化できないのですか?」と聞いたことがあるのですが、機械化するとこの絶妙なスプリング感がでないのだそうです。それだけでなく、月の満ち欠けによって作業の工程を決めているそうで、まさに伝統工芸品。15年ほど昔まではヨーロッパにもそういった馬毛屋さんがたくさんあったのですが、今ではほとんどなくなってしまいました。
自分で枕の高さを簡単に調整可能
もうひとつ、枕にとって重要なのは“自分の好みに調整できること”。意外とそういう枕は少ないのですが、枕の高さが違うだけで眠れない人がいるように、睡眠というのは枕の微妙な違いによって大きく変わってきます。この馬毛枕はファスナーを開けるとわかるのですが、ダイレクトに馬毛が入っています。その馬毛を抜いていただくことで、高さ調整が可能なのです。
馬毛枕は万人におすすめの枕なのですが、好みに合わない人ももちろんいるでしょう。それが音。馬毛は硬いのでゴワゴワ、シャリシャリした音が出るのですが、それが「いい」という方もいらっしゃれば、「嫌だ」という方もいらっしゃいます。そば殻の枕がお好きな方は気に入っていただける可能性が高いのですが、ウレタン枕を使っている方だと音が気になるかもしれません。
ただ、シャリシャリした音が出るのは通気性のいい証拠でもあります。枕というのはずっと頭が密着しています。敷布団やベッドマットは寝返りもうちますから汗も分散しますが、枕は常に首からの汗を受け続けるわけです。その点、馬毛の枕は通気性抜群。さらに側生地は簡単に取り外して洗えます。馬毛自体も洗える素材で、本場ヨーロッパでは側生地をかけたまま、洗濯機で洗濯されているくらいです。ただし、この方法だと天然の色素が側生地に着いてしまうことがあるので、気にされる方にはおすすめできません。馬毛には天然の抗菌効果が十分あるので、基本的にはカバーをこまめに洗濯して、ときどき側生地を洗えばOK。さらに、天気のよい日に風通しのよいところで陰干しすれば、馬毛が持つ天然のパワーを維持できます。
マットレスや敷布団と比べると、馬毛の枕はかなり価格的にお手頃。ぜひ馬毛の良さを枕から体験してみてください。
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「馬毛の良さはわかっていても、なかなか敷布団やマットレスは高価で手が出ない」という人にぜひ使ってもらいたいのがこの枕。枕を馬毛に変えるだけで、寝具全体が大幅にグレードアップしたような気になるから不思議です。以前、私は低反発ウレタンの枕を使っていましたが、朝起きると妙に首の筋肉が痛いことがありました。ところがこの馬毛枕に変えてからは、まったく首が痛くならないのです。とくに夏の快適性は抜群。枕カバーに麻の掛けカバーを使うとさらに快適性がアップします。睡眠の質に悩んでいる方は、ぜひ馬毛枕から寝具をリニューアルしていくことをおすすめします。
(雑誌「自遊人」編集長 岩佐十良)
「ふだん柔らかめの枕を使っている私にとって、馬毛枕はちょっと硬めなのですが、中身の馬毛を少し抜いて低くすることで頭にフィットするようになりました。この枕は高さを簡単に変えられるのがポイント。通気性も抜群で、就寝中に汗をかいている気がほとんどしません。暑い夏にはとくに威力を発揮する枕ですね」
(オーガニック・エクスプレス 商品開発担当 小沼百合香)
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