有機質肥料を使用した
稀少な仁多産特別栽培米
「仁多米」という名称を聞いたことがあるでしょうか。西日本ではけっこう有名でも、東日本ではほぼ無名。その理由は東には「魚沼産コシヒカリ」が君臨しているからです。
仁多米とは、島根県の奥出雲地方、旧仁多郡の仁多町(現・奥出雲町)と、旧横田町(現・奥出雲町)で収穫されたコシヒカリのこと。魚沼と同じように、この地域は西日本でも有数の多雪地帯であり、なおかつ原生林が残る自然豊かな地域。水質が良いだけでなく、ミネラル分を豊富に含み、しかも土は粘土質、昼夜の寒暖差もあり……と、コシヒカリを栽培する好条件が揃っているのです。ただし魚沼と違うのは、生産面積が極めて限られていること。中山間地のため大規模農家がほとんどいない地域で、しかも現在の米価では採算が成り立たないため、農業は高齢者中心。“趣味の米づくり”と言っては失礼ですが、それに近い状況で米づくりが行われています。
私たちは以前から、そんな仁多米のなかでも、全国コンクールで特別賞などを受賞した農家のお米だけを限定して販売してきましたが、今回、『強い農業へ』プロジェクトではもっと広域をサポートすることに。仁多米の中でもとくに評価が高い、旧横田町の鳥上地区のお米を全面的にバックアップしていこうということになりました。
旧横田町のお米を集荷するのはJA雲南。ここは全国でも積極的な経営で知られる貴重な農協で、一部のお米は生産者ごとに管理。品質の高い米だけを出荷することが可能なのです(乾燥・調製・集荷を一括して行うカントリーエレベーターも併用していますが、品質の高いお米は別管理を行っています)。JA雲南の『強い農業へ』プロジェクト担当者は言います。
「最近、西日本の都市部で“仁多米”と書かれたお米を見ることが多くなりました。なかには激安で販売されているものもあるのですが、食べてみると“えっ? 本当に仁多米?”と私たちが思うものも多い。私たちは本当の仁多米を食べてもらいたいと思っています」
もちろん引き続き、仁多米のなかで最高の食味を誇る受賞農家のお米も継続販売しますが(詳細はウェブサイトにて)、今回のプロジェクトでは旧横田町の鳥上地区の米に限定。しかも有機質肥料を使用した特別栽培米は仁多米の中でも希少品で生産量がほとんどありません。モチモチした食感は、魚沼で米をつくる私たちからみても“なかなかの味”。少なくとも西日本の他の産地と比べると群を抜いています。仁多米の生産量はわずか。とくに特別栽培米は品薄になることが予測されるので、予約はお早めに。 |
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