トップページ 涼しさで選ぶなら……麻!

エアコンをかけて眠ると、朝起きたときに体がだるかったり、腰が痛かったりしませんか? かといってエアコンを止めて寝ると、暑くて何度も目が覚めるばかりか、朝起きるまでに汗でびっしょり。寝ているのになぜか疲れがドッとでてしまいます。

そこで麻の寝具。麻は熱伝導率が高いため、体温を下げて常にサラッとした肌触りをもたらしてくれるのです。

今回は全国の旅館や高級ホテルにベッドや布団を納入する金沢の老舗『石田屋』に、麻の布団について聞いてみました。常務の田中佳美さんは睡眠のプロ、睡眠改善インストラクターでもあります。
(聞き手 自遊人編集長 岩佐十良)



そもそも麻とはどういったものなのでしょう。
麻とひとくちにいっても、いろいろな種類があります。リネン(亜麻)・ラミー(苧麻)・ヘンプ(大麻)・ジュート(黄麻)・マニラ麻などなど。これらは産地も違えば科も違う、つまり全く別の植物なのですが、繊維として利用するという点から、「麻」と一括りで呼ばれているのです。

ただし、現在日本国内に流通する布の中で「麻」と表記できるのはリネン(亜麻)とラミー(苧麻)に限られています。(経済産業省「家庭用品品質表示法」による)石田屋で扱う「麻」もリネン(亜麻)とラミー(苧麻)の2種類です。

リネンは、ヨーロッパで古くから服地やシーツ、キッチン周りのファブリックとして使用されてきました。ラミーに比べて柔らかくてなめらかな感触なのが特徴です。一方のラミーは、日本を始めアジアで多く利用されてきました。リネンに比べ、シャリ感が強くやや堅めですが、肌に密着せず涼やかなのが特徴。小千谷縮や近江縮、着物に使われる上布もこのラミー(苧麻)です。

日本では麻は着物のイメージも強いのですが、寝具にも向いているのでしょうか。
ヨーロッパで昔から使われてきたリネンは、肌触りが柔らかいのに擦れに強く、シーツなどとして使われてきました。キッチンまわりでリネンが使われてきたのは、麻の天然抗菌効果が高いから。しかも通気性に優れ、乾きやすいのが特徴。肌に密着せずにサラッとしていますし、麻に含まれる天然のペクチンには汚れをはじく効果もあります。つまり汗や皮脂の臭いが付きにくく、雑菌の繁殖も抑制されるのです。

こうやって麻の特徴を書いていくと、キッチンまわりに最適なのはもちろん、夏の寝具としても最高の素材であることがわかると思います。さらに麻のいちばんの特徴は天然繊維の中でもっとも吸湿性・放湿性・熱伝導性に優れていること。熱を吸収して常に温度を低く保つため、ひんやりした肌触りなのです。しかも乾きやすく、汗でベタつきません。

麻の寝具がいいことはわかるのですが、メンテナンスが難しそうな気もするのですが……。

石田屋の麻布団は、ご自宅の洗濯機で丸洗いOKなんです。洗濯ネットに入れて中性洗剤で洗うだけ。これなら汗をいくらかいても大丈夫です。

それに麻というと夏専用のイメージがありますが、3シーズン使える、快適素材なんです。とくにじめじめした梅雨時期に麻は威力を発揮。常にさらっとした肌触りで快適な睡眠を得られます。また残暑厳しい秋口にもぴったり。真冬は羽毛布団の上にベッドスプレッドとして使えば、軽いので体への負担もなく、保温力がぐっと高まります。

ちなみに同じ天然素材の綿は、吸湿性は優れているのですが、放湿性がありません。従って、湿気を吸って重たく感じるときがあります。それに対して麻は湿度を調節してくれるので、いつもさらさらで、素晴らしい素材なのです。

ポリエステル等の化学繊維にもさらさらの素材はありますが、吸湿性が少なく、静電気を発生しやすいため、心地よく眠れません。静電気が発生すると、ホコリやチリを吸い寄せて、アトピーやアレルギーの原因になるだけでなく、体からカルシウムが失われるんですよ。

人は肌触りが「心地よい」と感じると、寝付きが2倍良くなると言われています。
天然素材をつかった寝具は、吸汗性、通気性にすぐれ、夏は涼しく冬はあたたかく、オールシーズン心地よく眠れます。

麻というとゴワゴワしたイメージもあります。

一般的に麻は「ごわごわしている」「シワになりやすい」「かたい」などのイメージがあると思います。でも石田屋の麻布団は表生地をリネン麻の非常に細い糸でガーゼ状に織ってあるので、軽くて柔らかいのが特徴。肌触りがとても気持ちいいんです。

麻布団だけでなく、麻の枕カバーもおすすめ。使用している枕にかけるだけでサラサラの麻枕に早変わりします。熱伝導率に優れた麻は首筋と頭を常にひんやりさせてくれるので、寝付きにくい熱帯夜でもかなり眠りの導入がスムースに。暑くて何度も起きる、なんてこともなくなるかもしれません。

さらに麻シーツを使えば暑い夏もへっちゃら。全身が麻に覆われるので、汗をかいても常にさらさらで快適です。もちろんすべて洗濯OK。メンテナンス性も抜群です。

価格も手ごろで、大人気商品だとか。

実は昨年、石田屋の社員で何人も買いそびれた者がいました(笑)。私も買おうと思っていたらあっという間に売り切れてしまったんです。上質な麻を使っているので製造量にも限界があり、売り切れ仕舞いの商品です。

暑さが本番になると、一気に売れていきます。気になる方は、できるだけ早くお買い求めください。

どうもありがとうございました。




ホテルや旅館にとって布団やベッドの仕入れ先は企業秘密であることが多く、実名はほとんど挙げられませんが、長野県鹿教湯温泉の旅館『三水館』や、富山県のリゾートホテル『リバーリトリート雅樂倶』のほか、数々の名宿、ホテルが特別室などに採用している石田屋の寝具。価格は一見高く感じても、“天然素材”と“本物”にこだわった上質な寝具ばかりなので、結局は長く使えてオトク。
最高峰のアイダーダック羽毛布団の寿命は100年以上、馬毛の敷布団とマットレスも100年以上。10〜20年に一度は必要なメンテナンス&リフォームも、永久に行ってくれます(有料)

掛けカバー リネン#80
細番手で超軽量なリネン♯80を使った掛けカバーは、まるでガーゼように軽くてやわらかい。女性用のブラウスなどにも使われる繊細な生地なので、肌触りも滑らかで、ふとんの感触にはっきりと違いが出ます。石田屋では、通年使えるカバーとしておすすめしています。

麻掛け布団
表生地も中綿も麻100%。側生地にはリネンガーゼを使用しているので、肌触りがよく、汗をかいてもべとつきません。カバー不要で、洗濯機で丸洗い出来るので、使い勝手も抜群。洗うほどにしなやかに、肌になじむようになります。

麻のガーゼケット
まるでガーゼのようにソフトな肌触り。薄く軽いので、ストレスを感じません。洗濯機で丸洗いできて、洗濯後の乾きも早い! 冬は掛け布団のアッパーシーツとしても使えますし、折り畳んで膝掛けにもできます。家族みんなで使ってます、という石田屋スタッフも。

麻の枕カバー
お持ちの枕にくるっと巻き付けるだけで、夏用枕の完成。麻綿が入った少し厚手のタイプで、しっかり汗を吸い取ってくれます。首筋は汗をかきやすいので、こまめに洗濯するか、2〜3枚を使いまわして清潔に保つのがおすすめ。

麻のベッドパッド
夏用のベッドパッドにはいろいろありますが、一番のおすすめは天然の素材を使ったもの。とくに麻は、吸湿性・放湿性・熱伝導性に優れ、肌触りも抜群です。このベッドパッドはシーツ兼用なので、敷き布団の上に1枚敷くだけで使えます。洗濯機で丸洗いもOK。