メディアの責任。
世の中に情報が乏しかった時代(まだつい最近のことです)、マスメディアは「伝える」ことがその大きな役割でした。私たちも、いかに信頼性の高い情報を読者に届けるかを考えて雑誌を作っていました。しかし時は流れ、世の中に情報が溢れてくると、「伝える」だけでは役割不足になってきたのです。

「私たちは何をすべきだろうか」。
 
その答えはお米特集の制作途中で見つかりました。当時は本物の1000倍とも1万倍とも言われる量のニセ魚沼産コシヒカリが流通。本物を買うことさえ難しく、さらに本当に美味しいお米は様々な理由で市場に流通していなかったのです。

「特集を作るだけでなく、正真正銘、本物のお米を消費者に届けよう」。

 雑誌で紹介して終わりではなく、商品の品質にまで責任を持つ。それが私たちの導き出したメディアとしての新たな責任でした。ちなみによく「雑誌不況だから食品販売を?」と聞かれますが、私たちが販売しているのは小ロットのものばかり。すし屋で本マグロの大トロが儲からないように、酒蔵で大吟醸が儲からないのと同じように、とても儲かる商売ではありません。儲けるならほかのものを売ります(笑)。


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